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皮膚に存在する毛細血管は、通常は、周囲の環境に応じて、拡張したり、収縮したりしています。 この機能が何らかの理由により傷害され、毛細血管が過度に拡張したままになると、皮膚表面から血管が透けて見えるようになります。 レーザーによる治療は、拡張したままになっている血管を焼灼(レーザーで焼く)することにより行います。 「毛細血管拡張症」は、病名ではなく、起こっている症状を表す名称です。 機能的な問題はありませんが、整容的に気になる場合はレーザーで治療できます。
毛細血管が拡張し、血流が増えることによって、皮膚の表面から血管が透けてみえるようになったり、全体が赤く見えたりします。 毛細血管とは皮膚に存在する血管で、通常は周囲の環境に応じて拡張・収縮しています。 たとえば、寒いときには収縮して末端に血液が流れないようにして、体温を維持する役目を担います。 毛細血管拡張症では、毛細血管の機能が何らかの理由で障害され、血管が過度に拡張したままになっています。
鼻、頬、眉間などを中心に、顔に現れます。 鼻は、小鼻の外側から下に、血管が透見されます。 頬は、中央部分を中心に広範囲に出現することがあります。
次のように分類されます。 単純(線状)型:盛り上がりはなく、赤色や青紫色を示す血管の枝分かれがないもの。 樹枝状型:盛り上がりはなく、赤色や青紫色を示す血管の枝分かれがあるもの。 クモ状型:中心の血管から360度に、クモが足を広げたように血管が拡張しているもの。 丘疹型:皮膚の表面から少し盛り上がり、丘疹を囲むように血管が拡張しているもの。
さまざまな原因があり、例えば肝疾患などの「病気」に伴って生じることもありますが、多くは「病気」とは、無関係です。 原因のひとつとして、女性ホルモンが関係しているのではないかと考えられています。 そのため、毛細血管拡張症を発症するのは女性が多く、特に、妊娠に関連して見られることがあります。 そのほか、もともと皮膚が薄い、色が白い、加齢によって皮膚の脂肪量が減少する、紫外線による影響、寒暖差、刺激物の接種なども原因として考えられます。
皮膚に炎症が起きることで、一時的に赤くなることがありますが、このような状態は、毛細血管拡張症には該当しません。 毛細血管拡張症は、炎症とは異なって放置していても自然に治癒することはありません。 「一時的に赤みが出たけれど、自然に赤みが消えた」という場合には、毛細血管拡張症ではなく、皮膚に炎症を生じさせるほかの疾患によるものと考えられます。
自然に治癒することはありませんが、レーザー治療で症状を改善させることが可能です。 主に用いられるのは、Vビームレーザーです。 これは、血管病変、赤あざを治療するダイ(色素)レーザーという種類のレーザーで、毛細血管拡張症にも高い効果を発揮します。 血液中のヘモグロビンに反応するレーザーで、ヘモグロビンにレーザーのエネルギーが吸収され、熱を発生することでその周囲の毛細血管を破壊して毛細血管拡張症を改善します。 他に、毛細血管奇形(単純性血管腫)、乳児血管腫(いちご状血管腫)、血管腫(老人性血管腫)、にきび跡の赤み、ケロイドの赤みなどにも用いられます。
傷跡が残ることは通常ありませんが、稀に色素沈着を生じることがあります。 また、治療後には赤み、腫れ、痛みを認めます。 一時的な皮下出血斑(内出血)を生じることがあります。 赤みや腫れは長くても1週間程度、皮下出血斑は1〜2週間程度でおさまります。
症状にもよりますが、治療回数の目安は3〜5回程度です。 3~5回程度の治療で、改善が期待できます。 残存する場合もありますので、さらに効果を高めたい場合には治療回数を重ねることもあります。 治療の結果は個人差があり、早い人は、1回の治療で、効果を感じられます。 レーザーは色に反応するため、濃くはっきりと見えている血管の方が、効果を期待できます。 反対に、血管が薄くぼんやり浮き上がっているようなタイプは複数回の治療を必要とする場合があります。
毛細血管拡張症に対するVビームレーザーの治療は、健康保険が適用となる場合があります。 健康保険を適用する場合には、保険請求の間隔が3ヵ月であることより、3か月に一度、治療することが多いです。 3ヶ月間隔で、目安として、3~5回程度の治療を行います。
Vビームレーザーによる治療は毛細血管拡張症の根本的な原因に対する治療ではなく、症状を改善する治療です。 一度改善しても、のちに再発する場合があります。 そのため一旦症状が落ち着いたあとも、再発予防のために間隔を開けて照射を継続している患者さんもいます。
保険治療の場合、照射する部位の面積が10 cm2までは、3割ご負担の場合、ご負担額は、6,510円になります。 以降、10 cm2増えるごとに、3割ご負担の場合、ご負担額は、1,500円が加算されます。 別途、健康保険の基準による初診料、再診料、投薬料、麻酔料等が必要です。
Vビームレーザーは、レーザーを照射する直前に、冷却ガスが出て、照射部位を冷やしたてから、レーザーが照射されます。 レーザー照射部位には、熱が発生します。 以前は、この熱によりやけどになってしまうことがありましたが、Vビームレーザーでは冷却ガスの効果により、安全に治療することができるようになりました。 冷却ジェル等を使用する必要もありません。 麻酔テープの貼付、または、麻酔クリームの塗布を60分行ってから治療します。 痛みは完全にはなくなりませんが、我慢できるくらいの痛みです。 治療後は、10分間のクーリングを行っています。 ガーゼ等の貼付は、必要ありません。
毛細血管拡張症に対して、フォトフェイシャルと呼ばれる治療法を行うことがあります。 フォトフェイシャルは、美肌効果も期待でき、血管のみならず、シミなど顔全体のさまざまなトラブルを同時に改善できる治療法です。 しかし、毛細血管拡張症に対してはVビームレーザーの方が治療効果は高く、また、一定の条件下では健康保険が適用になります。 そのため、毛細血管拡張症の治療は、Vビームレーザーによる治療が最善と考えられます。
監修記事(外部サイト)
肌の赤み「毛細血管拡張症」の治療は保険適用? 費用目安を教えて
赤ら顔「毛細血管拡張症」の治療は何回通院が必要? 治療開始から完了までの流れは?
あざ・シミ 相談室(Q and A)
あざに対する健康保険適応のレーザー治療に、治療回数の制限はありますか。
保険取扱疾患
色素性疾患
太田母斑(青あざ)
異所性蒙古斑(青あざ)
外傷性色素沈着症
血管性疾患
毛細血管奇形(単純性血管腫)(赤あざ)
乳児血管腫(いちご状血管腫)(赤あざ)
毛細血管拡張症
自費取扱疾患
老人性色素斑(シミ)
脂漏性角化症(隆起のあるシミ)
肝斑(両頬の色の薄いシミ)
炎症後色素沈着
雀卵斑(そばかす)
黒子(ほくろ)
色素性母斑(黒あざ)
扁平母斑(茶あざ)
刺青(いれずみ)の除去
アートメイクの除去
血管腫(老人性血管腫)
ケロイド、肥厚性瘢痕
にきび跡の赤み
Vビーム抵抗性の血管性疾患 ロングパスル YAG レーザーによる治療
静脈湖
隆起性疾患・他
隆起病変、隆起性母斑(汗管腫、線維腫、軟線維腫、表皮母斑など)
尋常性疣贅(いぼ)
血管拡張性肉芽腫
外傷、熱傷による瘢痕
にきび跡の凹凸
医療脱毛