シミ(老人性色素斑、脂漏性角化症、肝斑)の治療
シミの種類
老人性色素斑(シミ)
ろうじんせいしきそはん
老人性色素斑は、通常、「しみ」と呼んでいるものです。
加齢による変化によって出現します。
紫外線にあたることが蓄積して生じます。
通常、50歳、60歳以降に生じます。
紫外線の感受性が高い場合や、または、紫外線以外が原因となることもあり、
20歳代から認める場合もあります。
紫外線にあたることの多い、頬部(ほほ)や前腕・手の甲などにできます。
紫外線にあたらない部位に、生じることもあります。
通常、頬部(ほほ)の左右どちらかから出現し、数が増えてくると反対側にも認めるようになります。
数は、最初は少なく、経過により、増えていきます。
はじめは薄い茶色ですが、色が比較的濃くなるのが特徴です。
レーザー治療により、良好な結果が得られます。
- ■主に使用するレーザー装置
- 「ピコ秒レーザー」キャンデラ PicoWay
- ■平均的な治療回数
- 1回(まれに2回)
- ■治療間隔
- 2回目を行う場合は、2~3ヵ月以降
脂漏性角化症(隆起のあるシミ)
しろうせいかくかしょう
角質が厚くなって隆起したシミを、脂漏性角化症、もしくは、老人性疣贅(ゆうぜい)と呼んでいます。
加齢による変化によって出現します。
隆起部分を「CO2レーザー」で削り、残った色を「ピコ秒レーザー」で処理します。
「老人性色素斑」と別の名称が付いていますが、「老人性色素斑」に連続してできるものです。
レーザー治療により、良好な結果が得られます。
- ■主に使用するレーザー装置
- 「CO2 レーザー」キャンデラ コア CO2RE(削るレーザー)
「ピコ秒レーザー」キャンデラ PicoWay(色を取るレーザー) - ■平均的な治療回数
- 1回(まれに2回)
- ■治療間隔
- 2回目を行う場合は、2~3ヵ月以降
肝斑(両頬の色の薄いシミ)
かんぱん
両側の頬部(ほほ)の目の下から外側にかけて、色のうすい色素斑が多数できるものです。
体質的な内部の要因により生じます。
女性ホルモンのバランスの乱れが原因とされています。
20歳、30歳くらいから、生じます。
肝斑に「レーザー治療(高い出力のレーザー治療)」をすると一時的に濃くなってしまいます。
1~2年、経過をみると色は戻りますが、肝斑のある状態にしか戻らず、肝斑は改善しません。
「レーザー治療(高い出力のレーザー治療)」は、「効果がない」ではなく、「行ってはいけない」とされています。
肝斑の治療の第1選択は、くすり(主に外用薬)による治療です。
加えて、弱いレーザー治療(ピコ トーニング)を行うこともあります。
肝斑の中にある濃い色素斑は、老人性色素斑が併発している場合があり、レーザー治療により改善できる場合があります。テスト治療から開始します。
使用機器
ピコ秒レーザー
当院では、「ピコ秒レーザー」キャンデラPicoWayを採用しています。
照射時間が、ピコ秒(10-12秒、1兆分の1秒)単位のレーザーを「ピコ秒レーザー」と言います。
これまでは、照射時間が、ナノ秒(10-9秒)単位の「Qスイッチレーザー」が主流でした。
照射時間を短くして、ピークの照射出力を上げると、副作用の少ない皮膚の深くまで届く治療が可能となります。技術の進歩により、「ピコ秒レーザー」が登場しました。
当院では、最新の「ピコ秒レーザー」を導入しています。
作用機序として、「Qスイッチレーザー」は、光熱作用(レーザーの熱によりあざを破壊する。)が主体でしたが、「ピコ秒レーザー」は、加えて、光音響作用(レーザーの力学的作用により破壊する。)が加わりました。
短い時間に高い出力のエネルギーを加えることにより色素に機械的なひずみを生じさせて破壊します。
副作用の原因となる皮下の空胞化形成(皮膚の下に空洞ができること)が少なく、痂皮(かさぶた)ができにくいため、従来と同等かそれ以上の効果のある治療が、少ない副作用、ダウンタイムで可能となっています。
痂皮形成のない治療で、より良い効果を出せるようになりました。強いレーザー治療では、痂皮はできますが、従来の治療より、痂皮のできかたは弱いです。
![ピコ秒レーザーの写真です。](https://kobayashi-c.jp/wp-content/themes/kobayashi-c/asset/img/laser-imgs_7.png)
![色素疾患治療用レーザー装置の写真です。](https://kobayashi-c.jp/wp-content/themes/kobayashi-c/asset/img/laser01.png)
色素疾患治療用レーザー装置
キャンデラ PicoWay(シネロン・キャンデラ株式会社)
ピコセカンド KTP/Nd:YAGレーザー
▶︎ 波長(パルス幅)
532nm(294ps)、1,064nm(339ps)、730nm(246ps)
▶︎ フラクショナルハンドピース
Resolve Fusion 532nm(294ps)フラクショナルハンドピース
![色素疾患治療用レーザー装置の写真です。](https://kobayashi-c.jp/wp-content/themes/kobayashi-c/asset/img/laser01.png)
シミの治療と料金
ピコ トリプル
ピコ トリプル《キャンデラ PicoWay トリプル》
ピコ秒レーザーによる全顔治療です。
シミ、ソバカス、肝斑に対するダウンタイムの少ない全顔治療です。
ダウンタイムの少ない治療の中で、1番にお勧めする治療です。
ピコトリプル等、ダウンタイムの少ない治療は、シミを改善(薄くする)する治療です。
シミを完全に除去することはできません。
シミの除去を希望される場合は、レーザー治療(高い出力のレーザー治療)の選択が必要です。
ガーゼ、テープの貼付は必要ありません。
当日より、洗顔、お化粧が可能です。
お仕事等で、ダウンタイムは絶対不可という方もいらっしゃると思います。
そのような方にお勧めするテープ不要、お化粧可能な治療です。
「レーザー治療」を終了した後の、良い状態のメンテナンスにもお勧めします。
レーザー機器のトップメーカー、米国キャンデラ社のピコ秒レーザーPicoWayを使用します。
世界最短パルス幅を誇るキャンデラ社のPicoWayだけで実現できる治療です。
他社のピコ秒レーザーで行う「ピコトリプル」とは異なります。
3種類の特別なハンドピースを使用します。
3種類の波長のレーザーを、3種類の照射方法で照射します。
1か月間隔で、3回程度の照射で、改善を確認できます。
皮膚への負担が少ないので、継続して治療することも可能です。
ダウンタイムの少ない治療で、治療後に発赤を生じますが、通常、痂皮形成はありません。
ガーゼ、テープは不要で、洗顔、お化粧は、当日より可能です。
照射 1
波長730nmのレーザーで、全顔面をスポット照射します。
波長730nmは、キャンデラ独自の波長で、「かさぶたのできない」治療ができます。
世界最短パルス幅、照射時間246ピコ秒で、かさぶたのできない「強い」治療ができます。
他社の他のハンドピースによる「弱い」照射とは異なります。
肝斑部分には照射しませんが、肝斑内の濃い色素斑には照射します。
![波長730nmのハンドピースの写真です。](https://kobayashi-c.jp/wp-content/themes/kobayashi-c/asset/img/laser_price_img01.png)
照射 2
波長1064nmのレーザーで、弱い出力で面照射します。
「ピコ トーニング」と呼ばれる照射方法です。
肝斑部位にも照射可能です。
色素を破壊するのではなく、排出の促進をします。
![波長1064nmのハンドピースの写真です。](https://kobayashi-c.jp/wp-content/themes/kobayashi-c/asset/img/laser_price_img02.png)
照射 3
波長532 nmのResolve Fusion ハンドピースで、フラクショナル照射します。
「ピコ フラクショナル」と呼ばれる照射方法です。
シミに効果の最も強い波長 532nmのキャンデラ社独自のフラクショナルハンドピースで、シミの改善効果のあるフラクショナル照射をします。
リジュビネーション(若返り)にも効果があります。
ピコ フラクショナル Resolve Fusion 532nm は、シミの治療を主目的にするフラクショナル治療です。
![波長532nmのResolve Fusionハンドピースの写真です。](https://kobayashi-c.jp/wp-content/themes/kobayashi-c/asset/img/laser_price_img03.png)
波長730nmのハンドピース、波長532nmの Resolve Fusion ハンドピースは、キャンデラ PicoWay だけにあるもので、他のピコ秒レーザーでは、この治療はできません。
いずれも、シミへの効果で、日本の国内薬事承認を取得している安心の機器です。