診療内容
自費取扱疾患 色素性疾患
黒子(ほくろ)
色素性母斑(母斑細胞母斑)のうち、小さいものを黒子(ほくろ)と呼んでいます。
ほとんどのものは良性ですが、一部に悪性(皮膚がん)に変化するものがあります。
切除やレーザー治療を行う際には、慎重に悪性かどうかの診断を行う必要があります。
黒子の治療は、手術により切除する方法と、レーザーによる治療があります。
手術は、1回の手術で、確実に切除することができます。
悪性を疑う場合は、切除して、組織を顕微鏡で見る病理診断をする必要があります。
手術後は、「形成外科的」に処置をすれば、極端な瘢痕になることはありませんが、傷あとは残ります。
良性のもので、整容的な結果を求める場合は、レーザーによる治療をお勧めします。
(当院では、手術の取扱いはありません。診察の上、手術が必要な場合、手術をご希望される場合は、診療連携している大学病院等へご紹介することは可能です。)
黒子(ほくろ)に関しては、悪性でないことの確認が必要です。
拝見した上で、悪性の可能性があると判断した場合は、治療前に、当院から紹介する皮膚科の受診をお勧めする場合があります。
レーザーによる治療
黒色に反応する「ピコ秒レーザー」を使用し、黒色の部分を除去していきます。
隆起している黒子(ほくろ)に関しては、はじめに、削るレーザー「CO2レーザー」を使用して、隆起部分を削ります。
当院では、削るレーザーは、隆起部分のみを削ります。
平坦になった後、色を取るレーザー「ピコ秒YAGレーザー」を照射します。
色は、通常深部まで達するため、1ヵ月間隔で、5~10回程度、またはそれ以上繰り返して照射する必要があります。
隆起のない、平坦な黒子は、色を取るレーザーのみを照射します。
この方法は、治療回数はかかりますが、黒色の部分のみを選択的に取っていくため、ほとんど傷あとを残さずに、黒子(ほくろ)を除去することが可能です。
レーザー治療は、まれに完全に除去できないことがありますが、手術瘢痕を作らずに、目立たなくすることは可能です。
1回のレーザー治療で、えぐり取ってしまう治療
他施設において、「1回のレーザーで、黒子(ほくろ)が取れる。」とうたっているところがありますが、この方法は、上記とは異なり、削るレーザー「CO2レーザー」により、深部まで一度にえぐり取ってしまう方法です。
陥凹した傷あとが残ることがあります。
控えめに削ると再発します。
陥凹した傷あとは、黒子よりも気になることが多く、削ったことを後悔する患者さんもおられます。
1回のレーザー治療で、えぐり取ってしまう治療は、お勧めしません。
治療回数が多くなりますが、回数を重ねて、色を選択的に除去する方法をお勧めします。
電気メスによる方法
黒子を削る方法には、削るレーザー「CO2レーザー」の他に、電気メスにより焼灼する方法があります。
CO2レーザーは、レーザーの照射された部分は、削れますが、その周囲は、ほとんど傷つくことはありません。
電気メスによる焼灼は、焼灼して除去される周囲に、熱損傷による傷んだ部分を残してしまいます。
CO2レーザーにより削る方が、きれいに仕上がります。
手術による切除
1.切除縫合
手術による切除は、従来は切除して縫合する方法が行われていました。
黒子を、紡錘形に切除して、縫い合わせます。
1本の直線状の縫合した傷になります。
左右、もしくは、上下に延長して切開する必要があるので、傷の長さは、元のあざの直径の3倍程度の長さになってしまいます。
傷は、形成外科的に縫合すれば、目立たなくなることが多いですが、傷のなおり方には個人差があり、目立ってしまうこともあります。
2.くり抜き法
切除縫合に代わり、「くり抜き法」という手術を行うことが多くなっています。
「くり抜き法」では、黒子を丸くくり抜きます。
縫合せず、傷を保護して、皮膚が再生されるのを待ちます。
3週間程度で皮膚は再生され、傷はふさがります。
大きさは収縮して、切除したときより小さくなります。
質感は異なりますが、丸い瘢痕になります。
ニキビ跡のような感じになります。
通常は平坦になりますが、陥凹や隆起を生じることがあります。
切除縫合よりは自然な傷になりますが、瘢痕は残ります。
治療後の状態と治療の選択
多くの黒子は、レーザー治療を選択すると、どこに黒子があったのかわからないくらいにきれいになります。
しかし、完全に取れない黒子もあります。
隆起のある黒子の隆起が取りきれないことがあります。
隆起は削るレーザーで削りますが、何度削っても隆起が再発することがあります。
色が完全に取れない場合もあります。黒子の色は深部まで及びます。
レーザーの届く深さに限界があるため、深部の色が残る場合があります。
整容的な治療を目的とする場合は、完全に取れないからといって、手術を選択するべきではありません。
手術治療後には、傷跡ができますので、整容的には目立ってしまう場合があります。
レーザー治療は、黒子が残る場合も、隆起は、その度合いは改善しますし、色は、大きさが縮小します。
レーザーによる黒子の治療は、手術よる傷は作らずに、可能な範囲で黒子を目立たなくする治療です。
黒子が完全に取れない場合でも、傷でない黒子の方が自然に見え、目立ちません。
傷あとは、目立ち、気になります。
ただし、悪性を疑う場合、悪性化を心配する場合は、切除して、細胞を見る病理診断を行う必要があります。
日本皮膚科学会による黒子(ほくろ)の悪性を疑うポイント
次にあげる4つのポイントのうち、2つ以上あてはまるときは、要注意です。
できるだけ早く皮膚科を受診しましょう。
1. しみ・ほくろの形が左右対称性でない。
2. しみ・ほくろのまわりがギザギザしている。
3. しみ・ほくろの色が均一でなく、濃淡が混じっている。
4. しみ・ほくろの直径が6mm以上ある。
他に、ジクジク、出血も、要注意です。
- ■主に使用するレーザー装置
- 「ピコ秒レーザー」キャンデラ PicoWay
「CO2レーザー」キャンデラ コア CO2RE - ■平均的な治療回数
- 5~10回程度、またはそれ以上
- ■治療間隔
- 1ヵ月ごと
- ■治療料金
- 治療料金一覧へのリンク